ーー私と、隼が出逢ったのは人気のない夜の商店街だった。 過去を忘れられず、何もかも嫌になって閉店した店のシャッターの前で座り込んでいた私に、 『風邪ひくよ。』 そう言って、自分の上着を優しくかけてくれたのが ーー隼だった。 『泣いてたの?』 「……泣いてません。」 『強がる女の子って本当に可愛い。』 「……は?」 『いじめたくなる。』 なにこの不審者、危険な匂いがする。