「つまり隼は、ビビってる訳ね。」 『まぁ、そんなとこ。』 “結婚してください”って プロポーズしたとして、きっと今の夏織は喜ばない。 喜ばずに、震えて怯えるんじゃないかな。 ーーいくらその人を忘れられても 身体に刻まれた痛みは消えないものだから。 『冬子さんって、そういうの つけたりするタイプなんだね。』 それ、とはキスマークのこと。 「あぁ、これ? 夏織ちゃんのこと美人だよなって 言ったらつけてきたんだよ。」 可愛いだろ?なんて、自信満々な兄貴が ちょっと羨ましくなった。