『で、いつまで気づかないフリ
してればいいの?』
「……っ」
こっちを見ないまま、可笑しそうに
そう言う隼に声にならない声をあげる。
……気付いてやがったのか。
「あと10秒だけ、お願いしま、す」
『はいはい。』
恐怖のカウントダウンが終わる5秒前。私は乳白色の湯に、静かに全身をいれた。
「…もういいよ?」
私の言葉に、振り返った隼は嬉しそうに口元を緩ませていて。
『来てくれないかと
思いましたよ、夏織さん?』
「ちょっとしたアクシデントが
ありまして……、」
『アクシデントって?』
「バスタオル忘れちゃったの。」
私の言葉に、なぜか固まる隼。

