The Fool−修正版−

「まず……全軍、肢切さんに突撃です」


残っていた人形が全て幕内に向かって行く。


「では」


剣玉を握り締める。


ウスナは巨大な剣玉を持っているのに関わらず速く、姿知祈の目の前に移動する。


剣玉をハンマーのようにして、上から下に振り落とす。


少し退いて避ける。


最小限の避け方だ。


「これはハンマーでは無いのですよ」


言われて、彼は気付く。


鉄球が少し遅れて。


姿知祈を襲う。


―BODY:TYPE 霧―


「……は?」


直後。


鉄球が姿知祈に落ちる。


「少しのミスが命取りになるのですよ!」


土煙が上がる。


それが、すぐに消える。


何かに吸収されたように。


「土煙ゲット」


「……一筋縄ではいきませんね…ここの人達は……ま……私達の世界も同じか……」


姿知祈は鉄球の少し後ろにいた。


あのままだと確実に死んでいた。


あの“形”だと。


―なんで、元の体に戻す!?“霧”だと奇襲出来たものを!―


(あの状態はフワフワして……)


―……まぁ、よい。慣れれば強くなる。いいか、あれは緊急回避用だ。状況によって今吸収した土煙と入れ換えろ―


(わかった……!)


姿知祈は身構える。