口の悪い、彼は。

 

「晴日ちゃんで実験する気!?そんなのダメだよ!晴日ちゃんはかわいい女の子に育つんだから!本当に口が悪くなっちゃったらどうするの!」


まったくもう!

かわいいかわいい晴日ちゃんを実験台にするなんて!

そんなの、私が許さないんだから!


「誰が他人の子どもで確かめると言った」

「へ?」

「俺の子どもの口が悪くなるか知りたいんだろ?」

「……」


そ……それって……もしかして……。


「千尋が……子どもを作るの……?」

「子どもは一人じゃ作れねぇだろ」

「……じゃ、じゃあ……もう一人は……?」

「はぁ。一人しかいねぇだろうが」

「……」


突然すぎて、頭がついていけない。

……けど……。

……その“一人”は……。


「……ねぇ」

「何だ」

「……自惚れても、いいの?」


……私、って思っても、いいの?


「好きにすればいい」

「!」


千尋は冗談を言っている表情でもなければ、嘘を言っている表情でもない。

たぶん、いつもと同じように冷静な表情……だと思う。

でも、私は冷静でなんかいられるはずはない。


「……い、いいの?本当に……思っちゃうよ?知ってると思うけど、私、図々しいんだよ?」

「はぁ。好きにしろっつってんだろ。ぐちゃぐちゃうるせぇ」

「……ほ、本当に、いいの?千尋の相手が……私で」

「つーか、お前以外に誰がいるんだ」

「ひゃ……っ!」


突然腕を引かれたと思ったら、私はあっという間に千尋の胸の中にいた。