口の悪い、彼は。

 



「晴日ちゃん、かわいかったでしょー!?」

「何度目だよ。もう聞き飽きた」

「かわいい姪っ子のことだし、何度でも言うもん!」


帰ってきてからもテンションの高い私と、いつも通り冷静な千尋。

千尋と喜多村家に行くと、お姉ちゃんもいるからか不思議な感じがして夢の中にいる気分になるんだけど、帰ってきてしまえば全てがいつも通りだ。


「ていうか、千尋が子ども好きなんて驚いちゃった!」

「慣れてるだけだ」

「さっきもそう言ってたよね?慣れてるって、何で?って……も、もしかして……」

「あ?」

「や、やだ……!」


考えたくもない予想が頭の中に浮かんでしまって、一気に血の気が引く。

私はそのまま頭を抱えた。

……千尋は37歳になるのだ。

そう。……子どもがいてもおかしくない年齢。

私が千尋と出逢う前に……ってことも十分あり得る話で。

千尋はたぶん嫌がるから今まで何人と付き合ってきたかとかは聞いたことがなかったけど……実は離れて暮らしているだけで、子どもがいたりして……。

ってことは、結婚歴と離婚歴あり!?


「おい。変なこと考えてんじゃねぇだろうな」

「うっ……!だ、だって」


可能性はゼロじゃないし、この千尋だったらあり得そうだし、そう考えちゃうのは仕方ないよ……。

むぅ、と唇を尖らせると、千尋からため息がこぼれた。