口の悪い、彼は。

 

「晴日ちゃんっ?ほら、ネコちゃんだよ~。にゃんにゃん、かわいいねぇ~」

「ふえ~」

「晴日~っ!にゃんにゃんかわいいなぁ!」

「晴日ちゃ~んっ」

「びえ~」


急速に高まっていく私と喜多村さんの必死度に比例するかのように、晴日ちゃんのぐずりも大きくなっていく。

ぎゃん泣き手前だ。

何で泣き止んでくれないの!?と考えを巡らせ始めた時、ある理由が頭の中をよぎった。


「あっ!もしかしてオムツじゃないですか!?」

「あ!そうだ!高橋ナイス!」

「オムツ、オムツ!どこ!?」

「おい、さっき替えてただろ」

「あれっ、そうだっけ!?じゃあ、何で……って、千尋?」


突然割り込んできた千尋の冷静な声と呆れたようなため息に、私ははっと振り向いた。


「喜多村、貸せ」

「えっ?」


千尋の手が晴日ちゃんに伸びてきて、喜多村さんの腕からするりと抱き上げる。

涼しい顔をした千尋が晴日ちゃんの身体を数回上下に揺らすと、ぐずっていた晴日ちゃんの鳴き声が少しずつ小さくなり、30秒も経った頃にはすっかり泣き止んでしまった。

私と喜多村さんはその華麗とも言える光景を呆然と見つめていた。