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「お疲れさまー!」
「お疲れ様です!」
カチンとグラスがぶつかる。
私も美都さんも持っているグラスに入っているのはキンキンに冷えたビールだ。
やっぱり仕事終わりの1杯目はこれに限る。
ふたりでビールをあおる。
ぷはー!っと息を吐き出した次の瞬間、美都さんが何の前触れもなく話を始める。
「っていうかさ」
「え?」
「あいつ、横暴ねー。あの態度、毎日一緒に仕事してて嫌になんない?私だったら絶対に1日持たずにキレちゃうわ!」
「……えっと」
「あー、仮にも上司だものね。そうは思ってても口には出せないかー。あははっ」
「……」
美都さんが話しているのは明らかに千尋のことで、心臓がばくばくと鼓動を速め始める。
さらっと流して違う話を持ち出したい、と思うけど、美都さんは千尋の話を続ける。
「昔から変わんないのよね。ああいうところ。あ、私と千尋ね、大学の時からの仲なの」
「!……そう、なんですね」
「うん。元々は私の彼氏が千尋に付きまとってて、そこに私が入り込んだ感じなんだけど。彼、千尋のああいう態度が妙に気に入ったみたいでさ。まぁ、私も思ったことをサクッと言っちゃう千尋の性格は嫌いではないし、言い合えるのってスカッとするから、その流れでね」
その時店員さんが「シャッキリサラダとカラボールと刺し盛、お待たせしました~」と注文していたものを運んできてくれた。
私と美都さんはテーブルの真ん中にそれらを寄せ、「いただきまーす」と箸をつけ始める。
ちなみに“カラボール”というのは、チーズやソーセージ、たこ焼き、唐揚げ、肉団子などなど、様々なものをそれぞれカラッと揚げたおつまみだ。
別メニューだけど、ひとつだけハズレ入りという“ルーレットカラボール”というのもある。

