口の悪い、彼は。

 

それに、今日は週末。

やっと千尋の元に行けるんだ。

……行っていいんだよね?

私と美都さんの会話が聞こえているはずの千尋にちらっと目線を向けるけど、千尋のそれは私のことなんかこれっぽっちも向いていなかった。

会社ではそれが普通の態度のはずなのに、何だか千尋のことが遠く感じてしまって不安に襲われてしまう。


「小春ちゃん?無理なら断ってもらってもいいからね?」

「あっ!そういう意味じゃなくて……!」


どうする?私?と、自分に問い掛けたけど、断るとしてもちゃんとした理由がない、と私は気付く。

きっとお姉ちゃんの話ばかりになるだろうし、それに集中していればきっと大丈夫。

……もし、千尋と美都さんの話になりそうだったら、どうにかして話をそらせばいい。

私はにこっと美都さんに笑いかけて頷いた。


「行きます!私も美都さんとお話ししたかったから!」

「ほんと!?良かった~!かわいい子とデートデート!」

「あははっ」


美都さんの言葉と腕を縦にぶんぶんと振る動きがすごくかわいくて、私は笑ってしまった。

美人さんなのにそれを鼻にかけないで、お茶目でかわいくて、女の私がみとれるほど綺麗な美都さん。

女が魅力的だと思う人を、異性が魅力的だと思わないはずはない。