口の悪い、彼は。

 



「感動、し、ちゃっ、たぁぁ~」

「小春、そんなに泣かないでよ。もう、仕方のない子ね」

「うぅ~お姉ちゃん、ごめんね~ありがとぉ~」


お姉ちゃんは涙で濡れた私の目元と頬をハンカチで優しく拭ってくれる。

披露宴は先ほど無事に終わり、今家族みんなで控え室に戻ってきたところだ。

お母さんとお父さんはまだ挨拶とかが残っているようだったけど、私は特にすることもなく、ただ泣きっぱなしだった。

家族の写真撮影の時までは必死に涙を堪えていたんだけど、終わった途端、私の涙腺は完全に壊れてしまったのだ。

少し長居をしていた参列者にはクスクスと笑われてしまったけど、そんなことは気にならなかった。

嬉し涙は見られていても、恥ずかしくなんかないから。


「それではお着替えしましょうか」

「はい。よろしくお願いします。小春、私が戻ってくるまでに泣き止んでおいてね」

「う、うん……」


優しく微笑んでくれたお姉ちゃんの優しさに、また涙が溢れてきてしまった。

披露宴の後には二次会を開く人が多いけど、お姉ちゃんと喜多村さんは二次会はしないことにしたそうだ。

その分、披露宴の時間をゆったり3時間にして、みんなにゆっくり楽しんでもらうことにしたという。

披露宴は本当にゆったりとした時間が流れていて、たくさんのあたたかい笑顔で溢れていた。

そういうところがふたりらしくて、素敵だなと感じた。