口の悪い、彼は。

 

「しかも、CLO×CLOと言えば、ねぇ。比奈子!」

「うん、そうだね」

「どうしたんですか?」

「いるのよねぇ~」

「?誰がです?」


ニヤニヤ笑う美都さんとやわらかく微笑む比奈子さんに私は首を傾げる。

もしかしてうちの会社に知り合いでもいるんだろうか?


「ね、美都。今日はその話はやめておこう?また今度でもいいじゃない?」

「えー、別に隠すことでもないのに」

「ほら、今日の主役は知夏ちゃんだから。ね?」

「えー、つまんない!せっかくCLO×CLOだって知ったのに~」


ぶうぶう言っている美都さんを苦笑いで見た後、比奈子さんは「ごめんね」と私に言ってくる。

気になるけど比奈子さんはこの場で言うことにはあまり乗り気ではないみたいだし、私から深いところまで聞くのはやめておこうと思った。


「一言二言で終わるんだし、さくっと言っちゃう!小春ちゃんも驚くと思うよ~ふふっ」

「え?何ですか~」

「ちょっと、美都」

「実はね、私」


比奈子さんの言葉を遮るようにして美都さんが話し出そうとした時、「それでは」と司会の人の声が入ってきた。


「えーっ、いいところなのに!」

「あ、始まっちゃいますね。また今度ゆっくり聞かせてください!」

「うん。楽しみにしてて!」

「はいっ。じゃあ」


私はペコッと美都さんと比奈子さんにお辞儀をして、家族の元に戻った。

何だったのだろう?

やっぱり知り合いがいるのかもしれない。

今日来ている人は営業の人がほとんどで身近な人ばかりだから気になってしまうけど……。

年齢的にもまさか千尋だったりして!

……なんて、そんなに世間は狭くないかな。