「季里ー。今日は孝久くん来ないのー?」

リビングでクラシック音楽を聴いていると、お母さんが暖かいお茶の入ったカップを2つ机に置きながら聞いてきた。

「今日は仕事だって。明日来てくれるみたいだよ。」

「季里ってさぁー、孝久くんのこと好きでしょ。」

私が暖かいお茶の入ったカップに口をつけると同時にそんなことを突然言われて、思わず吹き出してしまいそうになる。