「…顔、見ないで。」って言って、また先輩は頭をお腹に押し付けた。
…いや、耳まで赤いので隠しきれてないんですけどね。
嫉妬って、「やきもち」ってことだよね?
そう思うと、さっきの胸の痛みはどこへやら。
胸があったかくなって、顔には熱が集中した。
「かっこ悪くない。
…うれしいですよ。」
その言葉に先輩は顔を上げ、私を見ると、
「…だめ。今そんな顔しないでよ。
優しくできないでしょ?」
その言葉と同時に先輩はイスから立ち上がり、甘い顔で笑った。
…これはヤバイ。
そう思ったときには、もう遅かった。

