「…うおっ!?」



「何だよ今さら…練習でもこうだったじゃん。」



「うん…そうだったね。」




先輩のことがあったせいか、松山の手が私の腰にまわったことに意識してしまった。


…アンカーって、走りにくいだけじゃなく、こ…こうゆう緊張もあるんだな。



…まあ今さら緊張したところでどうしようもないんだけどねぇ。



「あ、5走目走ってる!

あれ?俺ら今3位じゃね!?」



「ほんとだ!…追い抜けるんじゃないのこれ!」



「いけるいける!

…バトンくるぞ!」



松山の言葉に一気に緊張が走る。

クラスの声援も聞こえた。


バトンがくる……



「松山!桜井!…いけ!!」



その言葉と同時に私たちは走り出した。