母さんと父さんは
十歳になった時に
オレの身体の仕組みを
包み隠さず話してくれた。

それは両性器があるため、
もしかしたら、月経、
つまり、生理が
来るかも知れないという
理由からだった。

そして、母さんたちの
予想通り、その年の
クリスマスに生理になった。

オレの身体は子供も
産めるらしい。

しかし、それは
誰にも知られては
いけない事だった。

なぜなら、オレが
犯されたら大変だからだ。

だから、二人は言った。

もし、この先、
本当に好きになった人にだけ
話すんだぞと……

母さんは口は悪いが
本当に優しい。

父さんの話しだと、
オレが生まれた時に
両性具有だと知っても
笑っていたらしい。

何となく想像ができて
その話しを聞いた時は
思わずオレも笑ったのを
覚えている。

そして現在、
十八になったオレは
好きな人ができた。

友人でクラスメイトの
久留米廉哉だ。

そう、相手は“男”

そして、友人だ。

“普通”の男友達だと
思ってた奴が実は
曖昧な性別だと知ったら
どんな顔をするだろうか?

不安はあるが、
この気持ちを隠し
通せないほどに
廉哉が好きだ。