ぐいっ
男の人が俯いてる私の顔を覗き込もうとしたと同時に後ろから引っ張られた。
「え…ふう「いくぞ。」
風雅に引っ張られながら部屋から出る。
「ちょっ!おいっ!!!!!」
さっきの男の人の焦る声が聞こえる。
そんな声も無視して歩き続ける風雅。
なんで…。なんで助けるの?
連れてこられたのはスタッフルーム。
まだ風雅に会ったことがちゃんと理解できず、1人であたふたしてる私。
「おい、こんなところで何してるんだよ。」
最初に沈黙を破ったのは風雅。
「何してるんだよって…それは……「合コンか。」
え………。
「ち、ちが…私は!!!」
「お前合コンで男探すような奴だったっけ?そんな奴じゃないと思ってたんだけど。なにしてんだよ。」
なにそれ…
そんな言い方ないじゃん。
じわりと目がだんだん潤んできた。
「そんな…そんな言い方っ!!だいたい風雅に私の何がわかるのよ!私がどんな思いで今まで過ごしてきたか……!そんなのも知らない風雅にあーだーこーだ言われる筋合いはない!!!」
ばんっ!
私は思いっきりスタッフルームから
飛び出して走った。
目的地なんかない。
とりあえず走った。

