「もしもし…。僕。実蕾です」

「どうした?」

いつもより優しい声だった。

「今から、手術。受けて来ます。…やっぱり怖くて電話しちゃった。ごめんなさい…急に」

「大丈夫だよ」

抑えていた涙が再び零れ落ちた。