声が出なくても困ることはなかった。

両親も兄も僕に話しかけては来なかった。
たまにしか行かなかった学校でも、いじめに遭っていたので誰も話しかけて来なかった。

月を見る度流れてくる涙に素直に従って泣こうとした時、あぁ声が出ないなと思うくらいだった。