アニラブ!

「木田もこっち方面なのか?」

学校の帰り道。
中学校生活二年目スタートから3日目、
友達…

「1人…か」

「久野君、どうしたんですか?」
「あ、いや、俺、中二に入ってから友達できたの1人か…って思ってさ」
「そうだったんですか…?
実は…私もなんです」
「無理無いよ、木田は転校してきたばかりだろ?
俺なんて6クラスもある生徒の中で友達は3人だ」
「違いますよ…。
私は…小学校から友達ができてませんから…。」

木田が…ね。
見た目も中身も問題無…。

「なんか悪いこと聞いたな。
そういえば、木田、さっきまでは全然話してくれなかったけど、今はもう平気なのか?」
「あ…何故でしょうか。
人と話す時はいつもああなっちゃうんですけどね」

あがり症…か。

「それよりも、久野君こそ3人って…どんな人達なんですか?」
「何言ってんだよ、お前も含められてんだからな?
他の二人は…ちょっと変わった奴らでね…悪い奴らじゃ無いし、なにより一緒に居て楽しいから」
「ふぇ!?
そうだったんですか…少し、羨ましいです。
私もあるにはあるんですけどね」

木田が急に赤面になる…。
って、俺今回はなにもしてないぞ!?

「そんなんだ…。
まぁ、今度紹介するよ。
あと、思い出なんて無いとか言うなよ、この歳で。
今は作る時だろ?」
「そうですよね…」

そう言う木田の表情はどこか悲しそうだった。