「あぁ…。」

「苦しい…よぉ…。」

「春の…。」

「訪れなのにぃ…。」

1匹のうさぎが。

苦しんでいる。

これは。

毎年の。

ことだ。

このうさぎは。

病弱なのだ。

だから。

春以外は。

いつも。

寝ている。

声を。

かけて。

私は。

勇気づけ…。

なければ。

「うさぎさん。」

「また負けるき?」

うさぎは答える。

「勝ちたい…よ…。」

そして。

私は言う。

「なら、勝ちなさい。」

「あなたは強いんだから。」

「病弱なんて、捨てなさい。」

うさぎは言う。

「病弱を捨てる?」

私は最後の助言をする。

「正確には。」

「臆病で。」

「弱々しい自分を。」

「捨てるの。」

「捨て方は自分で考えなさい。」

そう言うと。

うさぎは考えた。

考えることは。

いいこと。

考えることで。

世界が。

色づくから…。