「人殺し、ねぇ。そりゃ、私は情報屋だし、私の売った情報が犯罪に使われているかもしれない。
もしかしたら関与してるかもね」

「……」

すーちゃんは眉を下げる。なんだか悲しそうだ。

「そんな変な顔しないでよ、男前が台無しじゃないか。
あくまでも可能性の話だよ」

自分の言葉を訂正する。

すーちゃんは単純だから、きっと私が言ったことを信じてくれる。
それが真実だろうが、偽りだろうが。

「君が聞きたいのはあのことでしょ?
巷で噂の、いや噂だった、かな。過去形だね。あの話の旬は過ぎたし。
まぁその噂の“神様”が私かってことなら、私はノーと答える」

警察が容疑者の中に私を含んでいることは知っている。
警察組織にいる情報提供者が金欲しさに洩らしてくれた。

とりあえず、だから、すーちゃんは直接私を尋ねてきたのだ。


すーちゃんは私の答に満足したのか、安堵したように笑った。