犯罪彼女

「酒、飲んだのか?」

「あ、あはは…」

笑っても誤魔化せなかった。
更に力が強くなる。頭蓋骨が砕かれそうだ。

すーちゃんと初めて飲みに行った日、私はベロンベロンに酔った挙句、見境なく発情していたらしい。

それ以来すーちゃんには酒を禁じられている。
まぁたまに内緒で呑むけど。

「言ったよなぁ、酒は呑むなってよぉ」

「いだいいだい!
せっかく生きて帰って来れたのにこの仕打ちはあんまりだよ!」

「そうよ、圭吾くん。
そもそもうちに来たのは、圭吾くんのせいでもあるんだからね」

マスターの援護。
すーちゃんはどういうことだ、とマスターを見た。

「ほのかちゃんせっかくバレンタインだからって」「うわああああ!」

マスター、何を言おうとしている。
大声を出してマスターの声をかき消すも、すーちゃんの手で口を塞がれた。

「バレンタインがどうって?」

それ以上聞くな、言うな。
そう言いたくて口を動かしているけど、モゴモゴしているだけで伝えられない。