「怖い怖い。暴力反対」
滑らかな動作で、セーラー服の女子は女性のパンチをいなし、軽口を叩いた。
どのような人生を送ってきているのかはわからないけれど、恐らくこういう攻撃には慣れているということなのだろう。
あまりにも動作が自然だった。
むしろ自然過ぎて不自然。
一介の女子高生の動きではない。
「手を出してきたってことは仕返しされても構わないってことだよね?
それはそれでいいけどさ、ここじゃ狭くない? やるなら次の駅降りようよ」
「上等だ!」
女子の誘いに女性はホイホイされる。
女子はまた笑みを浮かべた。
美しいけれど、やはり性格の悪そうな笑みだ。


