その一言は私が求めていた言葉。
京本先生は言ってくれた。でも、嘘だったんだ。
彼は自分を優先した。
当たり前かもしれない。でも、心の奥底で助けてくれるんじゃないかと思っていた。
期待してたんだ。
でも、いま礼央が言った一言は重みがあって強さがあった。
この人なら信じられるんじゃないかと、思ってしまった。
私は飲んでいたストレートティーをリビングテーブルに置き彼らをしっかりと見つめた。
みんなの目にはまだわからない何かを秘めていたけれど信じよう、と思った。
「わかった。契約通り、いてあげる」
私は彼らに弧を描くように微笑めば
彼等も意味ありげに微笑んだ。