“相沢裕也”
ディスプレイにうつる、機械的な文字。
それでも顔はニヤけてしまう。
一目惚れをしたのは初めて。
だから、もちろん自分から進んで連絡先を聞いたのも初めて。
その成功が嬉しくてたまらない。
遅刻したのにもかかわらず、足取りはとにかく軽い。
「美咲ちゃんっていうんだ。よろしくね。」
そういってくれた先程の裕也くんの笑顔を思い出す。
あー、恋するって楽しいなー。
すっかり浮かれ気分でのんびりと学校に到着した私がいつも以上に怒られたことは言うまでもない。
でも怒られたのにこんなにも落ち込まなかったのは初めてだ。
むしろ、怒られてる最中も
口角が上がらないようにするのに必死だった。
