あたしはガラの悪そうないかつい男と目が合ってなんだか怖くなってしまい思わず後ずさりしてドアを閉めた



すると男が気が付いてドアを乱暴に開けるとにやにや笑いながら近づいてきた



「へえ~可愛いじゃん?お前ここの家の娘か?もしかしてあの女の娘?っても血は繋がってねんだったな・・・ちょっとこっち来いや」




そう言ってあたしの腕を急に掴むと自分の胸に引き寄せた



男はにやりと微笑んだあと顔を近づけてくる




あっ・・・・キスされる?そう思っても自分より倍以上も大きな男に敵うはずもない




でもこんな男にファーストキスを奪われるなんてもっと嫌だ




そう思ったあたしは必死に抵抗して逃れようと躰を捩じらせた



「やっ・・・・やだやだやめてよ!やだ」




「この・・・!少し大人しく出来ねえのか?このっ」




「やだって言って「一体何してんのよ!!」」




耳元にあの女、美由紀の声が響いて来る



男は女の声が聞こえた途端ぴたりと動きを止め声のするほうを見つめている



買い物袋を提げて立ち尽すその姿は怒りと憎しみと嫉妬に溢れていた




女はあたしに目を移すと静かに歩いてこちらにやって来る