「ねえ・・・本当にこの格好で行くの?」



「この格好だけどそれがどうかした?」



あたしと秀一君のふたりは一旦学校に帰りジャージに着替えてきた


別に学校の体操着でもよかったんじゃ・・・ってあたしは思ったんだけど・・・



黒地に金色の三本線ジャージ、今時こんなのどこで売ってんだって思うくらいダサいジャージに軽く眩暈



授業も終わり人けの少ない夕暮れ時の校内はどこか寂しげで旧校舎に向けて歩き出したあたし達は無言のまま



しばらく黙って歩き続けると大きな桜の木が目に入ってきた




この桜の木が満開になったらさぞかし綺麗なんだろうな



しばし見とれていると隣から秀一君の声



「あたしから離れるんじゃないよ!とにかくここの主は気難しいってことで有名なんだから」



「わ・・・わかった!「本当に分かってんでしょうね~あんたに何かあったら龍一になんて言われるか・・・全く」



「そんなことよりこの桜の木、大きいよねえ~秀一君満開の時期ここでお花見とかしたらいいだろうな~」




「は~瞳ちゃんの度胸に感服だわ・・・こんな時にそんなこと言えるなんてあんたはある意味大物なのかもね、龍が気に入るわけだ」




秀一君の最後の呟きは聞こえなかったけどあたしは驚くほど落ち着いていた



所詮はあたしと同じ人間・・・それに特定の人間しか旧校舎に入っちゃいけないなんてそんなのおかしいし!