「え、おいっ…」




不意をつかれた箕島が、私に抱きつかれたまま廊下に尻餅をついて。



背後でバタン、と閉まったドアが、クリスマスの喧騒を遠くに掻き消す。





「…な、かはら…?」




動揺した声の箕島のシャツをつかむ手に、力をこめる。





「…ごめん箕島。酷いこと言ってごめん。自分勝手でごめんね」




だからお願い





「どこにも行かないで」