「え?また行かないつもりだったの?」

「だ、だって……」


「まあ、どちらにしても社員旅行は強制参加させられると思うけどね」

「え、っ…強制、参加…ですか」


アイツに、と付け足して言った手島さんの視線の先には、他の社員さんと一緒になって盛り上がっている平岡さんの姿




「アイツ、一人欠けるとかそういうの嫌いだからね。今までも全員参加して来たよ」


「そうなんですか…」




ああ、これは絶対に逃げられなさそう。

きっと、私はこの社員旅行に参加することになるのだろう……



そう思ったと同時に

でも、然程行きたくないわけでもない自分に少しだけ驚いた。