「……小松さん、私達が平岡さんのこと気に入ってるの知ってて平岡さんに近づくし、昨日だって残業後送ってもらってたの見たし」

「私達が聞いたときは平岡さんに興味なんか無いって言ってたのに、ね?だから…」


2人で顔を見合わせ、決まりの悪い顔をする。


「だから、小松さんの作った資料を隠した……ってわけ?」


この俺の一言に2人は一瞬驚いたような表情をし、しばらくした後でコクリと頷いた


「アレ無いおかげでスムーズに且つ完璧に進むはずだった会議が、少し困難しちゃったんだけど」


「う……」

「すみません…でした」


少し嫌味な言葉を浴びせると眉尻を下げ、ゆっくりと頭を下げた堂島と牧野。


もっと言ってやってもいいかとは思ったけれど、牧野も堂島も女の子だし。反省もしてるみたいだし……まあ、とりあえずはこれでいいか。


「2人とも後でちゃんと小松さんに謝ること。いい?

あと、さっき言ったこと少し訂正させてもらうけど、近づいていってるのは完全に俺の方ね。小松さんは俺に全く興味なんか無いし、送ったのも俺が送りたかったからだから」