* * *





翌日



「あ、小松さんおはよう」

「おはようございます」



結局、昨日はこっそり帰ろうとしたところ平岡さんにバレてしまい送ってもらったのだが。

まあ、とりあえずは資料が出来上がって良かったと思う。



「……お。小松さん、資料出来た?」


「あ、はいっ」



突然私の元へやって来た上司である木村さんにそう声を掛けられ、私はデスクの引き出しを探り、茶封筒を取り出した


そして「お願いします」と頭を下げ木村さんへ手渡す







「ありがとう…………って、あれ」




目を見開いた木村さんが不思議そうに茶封筒と私を交互に見つめてくる



「え、あの、すみません……何か、間違えてましたか?」



まさか、打ち間違い……?

それとも、印刷ミス……?



そう思ったけれどそのどちらも違い、木村さんの口から出てきたのは



「いや、資料入ってない……けど……」



思いもよらない言葉だった。