「えー…だってせっかく胡桃ちゃんと2人きりなのにさ。2人でしか出来ない話とか、したいじゃん?」
「は……い? な、何言ってるんですか本当さっきから……」
ああ、本当意味が分からない。
この人の頭の中は一体どうなってるんだろうか。
「私は平岡さんと2人きりでしたい話なんかありません。」
2人きりでなくても話したくないけど。と、私は心の中で付け足す。
さっきから私は上司への態度とは思えない程冷たく接しているというのに平岡さんはめげずに再び話し出す。
「胡桃ちゃんが俺と話したいこと無くても、俺はあるのー」
鉄、っていうか……この人のハートは何で出来ているのか、もう私にはまるで分からない。
「……資料、間に合わなくなったら困るの平岡さんですよ」
これ以上話を続けて貰っても困るので、少し脅しのようなことを言ってみる
「ん、まー…そうだね。うん。
でも、それと同じくらい……いや、それ以上に重要な話だからね」
まあ、そんな脅しがこの人に通用するわけもなく、結局話を聞かなければならなさそうである

