確かにあの辺の女子達が残業をしているところは、ここへ来て一週間と少し経つけれど一度も見たことがない。
まぁ、だからと言って特に私に支障があるわけでもないし。大体私は新人だし、特に思うことはない。
「別に、いいんじゃないですかね」
それも個性ですよ、と、軽く流してまた再びキーボードの上へと置かれる私の両手
「ねえねえ、さっきから思ってたんだけどさ、胡桃ちゃん、全然俺と話す気ないでしょ?」
もう、さっきから凄い話しかけるなオーラ出てるんだけど。
なんて言っている平岡さんは、やはり私の話しかけないで欲しいが故の行動に気がついていたらしい
………って、いやいや
「それなら話しかけないでくださいよ」
話しかけるなオーラに気づいていて、尚話しかけるって……この人の心は鉄のハートですか。

