業務報告はキスのあとで


いや、でも、遊び人でなければあんなお世辞言えるわけがない。

いやいや、だけど、あの手島さんだよ? あの手島さんが遊び人って……

なんて、少々くだらないことをひたすらに考えていると


ピーンポーン────


部屋中にインターホンの音が大きく鳴り響いた。


「はーい」


聞こえているか聞こえていないかはともかく、適当に返事をした私はとりあえずソファーから立ち上がる

宅配便か何かだろうと思いながら寝癖のついている髪を軽く結い、玄関のドアノブを捻るとそこには信じられない人物が立っていた


ガチャッ

「はーい………って、え……?」


ドアの向こう側に立っていたのは、宅配便のお兄さんでも何でもなく


「どーも。胡桃チャン」


来ちゃった、と笑う平岡さんだった。


「へ? え、な……」


驚きとショックとで、私の思考はショート寸前。そしてもちろん、言葉なんて出てくるはずもない。


そんな私をまじまじと見ていた平岡さんは、突然私の耳元へと口を近づけた


「ショーパンにTシャツかー…なんか、無防備でそそるよネ」