そんな事を思いながら、歩き続けていること約五分。








「…………………あ」










普段、誰も使うことのない非常階段の扉が少し開いていることに気がついた。




…………ここ、かも。




そう思った私は小さく深呼吸をしてドアノブに手を掛け、捻り開ける。





すると





「…………あ。胡桃ちゃん」






やっぱり、そこにはタバコを片手にこちらを見ている平岡さんがいた。