業務報告はキスのあとで


長期の就職活動の末、やっと手にいれることのできた職だ。

入社早々教育担当である上司の悪口を言っているらしい、なんて噂が広がって周りと上手くいかなくなるのはゴメンだ。


なんていったって入社2日目。まだまだこれからだというのに。


手島さんは信用できそうだから、まぁ、内密にしていてくれるはずだけれど……


そんなことを考えている私の目の前に立つ手島さんから突然、驚きの言葉が飛んでくる。


「まあ、アイツあんなだけど、仕事だけはちゃんと出来るんだよね」

「え?」


あのチャラチャラした平岡さんが、仕事だけは出来る……??


正直なところ、聞き間違いか何かかと思ってしまった。

だって、あんないい加減そうな人に仕事が出来るって……


そんな失礼な事ばかり考えていた私。その私の考えは見抜かれたのか、手島さんはクスクスと笑いだした


「絶対信じてないでしょ?」

「な! そ、そんなことは」