「教育担当、手島さんにしてくれればいいのに……」
もうこの際、手島さんが私の教育担当になってしまえばいいと思う。
それでもって早く仕事を覚えて、1日も早く1人で仕事が出来るようになれれば……そう、思った時。
「ははは、そんなにアイツ嫌い?」
背後からそんな声が聞こえてきて、私はハッと我に返った。
「な、えっ……手島さん……」
「ごめんね。聞いちゃった」
振り向くとそこにはクスクスと笑っている手島さんがいて、私はそんな手島さんにただただ慌てていた
だって、まさか………
まさか手島さんがいるとは思っていなかったし、しかも、あの独り言を聞かれてしまうとは全くもって考えられなかったというのに。
あぁ、最悪の事態。
こんなの間違いなく私のイメージや株は大暴落。下手すればこの会社を辞めなければならない、なんて事にもなり兼ねない。

