でも、本当にいないのだろうか。 仮に本当にいないとしても、じゃあ、あの女の人は一体……… 「あの………私、この間……平岡さんと女の人が裏出口の駐車場にいる所……見ました」 勇気を振り絞って、聞いてみる。 平岡さんが嘘をついていないと…… 平岡さんに、彼女なんていないんだと……信じたかった。確信、したかった。 「あー……あれ、ね」 聞いちゃう?と言って笑う平岡さんに私は黙って頷く すると 「あれ、元カノ」 と、たったの一言だけ私へと返ってきた。