段々と近づく平岡さんとの距離を離そうと、私も少しずつ後ずさる が ───── ガタッ、 「っ……」 後ろには会議用のイスとテーブルがあり、これ以上後ろには下がれない それでも近づいてくる平岡さんに、私と平岡さんの距離はもう近づくばかりだ。 「胡桃ちゃん、嘘つくとき絶対に目逸らすよね」 そう言って笑った平岡さんは、もう既に私のすぐ目の前。 最近は平岡さんの言う通り、近づかないようにと避けていただけに、余計近く感じるこの距離に私の胸の鼓動が止まらない 「…………聞いた。噂のこと」