ノックして少し時間を置いた後で開いたままのドアの中を覗き込む。 すると 「……胡桃ちゃん」 と、こちらを見た平岡さん。 私は平岡さんの横にあるテーブルへ「これ、西野さんから預かりました」と伝えた上で資料を置いた 「ああ、うん。ありがと」 なんて、平岡さんからの返事はそれだけで、その後に少し重たい沈黙が続く。 その沈黙を破ったのは 「あ、の………今朝言われたデータ…まとめておいたので、平岡さんのデスクの上に置いておきました」 私だ。