その話し声は段々とこの資料室へと近づき、資料室の前で留まった そして 「……胡桃ちゃん。こっち」 「……へ……っ、!?」 ──────ガチャッ 資料室の扉が、ゆっくりと開かれる こんな所で二人きりでいるのがバレないようにか、平岡さんが右手で私のことを包むように抱きしめている その距離の近さに私の胸の鼓動は不覚にも速く、大きく、高鳴る 近くて、温かくて、何故か安心して。 離れたくないと、思ってしまいそうなほどに心地が良かった。