俺様魔王の甘い口づけ




そしてやってきた夕食時。
私の食事はハンスに頼んでルイの側に用意してもらった。
まずは一緒に食べる事の楽しさを知らなきゃね。




「あ、来た来た!ほら、ここ!早く!」

「……なぜ貴様、そこにいる」

「近くで食べたほうが楽しいでしょう?ほら、座ってよ」




ルイは怪訝そうに眉を顰める。
そんなことはお構いなしで笑顔で迎えた。
ルイは文句を言いながらも席に着いた。



「いただきます」

「…」

「ほら、あんたも!いただきます」

「……いただきます」





強引に促すと、渋々ながらも口にする。
お、素直だ。
私は嬉しくなってうんうん、と頷くと箸を取った。




「ねえ」

「…黙って食えんのか」

「ごめん。でも、食べ終わったらお城を案内してよ」

「は?…そんなもの他に頼め」

「他って、ハンスとかリオンとか?」

「ああ」




さも当然のようにシレッとした表情。