俺様魔王の甘い口づけ



「ですから、芽衣子さまにああ言ってもらえ、ルイさまのお心は少しは癒えたのではないかと」

「まさか…。私の言葉で?」



そんな影響力なんてないと思うけど。
でも、一人ぼっちは寂しい。
信用できる人がいないのだって。

もしかしたら、少しでも私の事を信じてもらえたら私の言うことだって聞いてくれるかも。
魔物や人間を無闇に殺すこともやめてくれるかもしれない。



「私、もう少しあいつと仲良くなる努力してみる」

「芽衣子さま…?」

「それで、あいつの性格が少しでも改善されるなら、頑張ってみる」

「ありがとうございます」




魔物や人間のためだけじゃない。
ルイ自身のためにも。




「だって、寂しいよ。側にハンスやリオンだっているのに、一人ぼっちだなんて」





ハンスだって、リオンだって、あんなルイの事だって認めて側に仕えているのに。
大切に思ってくれる人が誰もいないって思うなんて。
ちゃんと気づかせてあげたい。

側にはちゃんといるんだって。
ルイを大切に思う人は絶対に。





「…私は」

「大切に思ってるんでしょう?」

「それは、もちろんでございます」



そうじゃなきゃ、ルイにここまで仕えてこないだろう。
それに気づかないなんて、悲しいよ。