「芽衣子さま…ありがとうございました」
「へ?なにが…?」
部屋に戻りくつろいでいたら部屋を訪ねてきたハンスにお礼を言われてしまった。
「ああ、手当のこと?別にいいよ。怪我してる人を放っておけなかっただけだから」
「いえ…、そのこともですが…。芽衣子さまがお話しくださったことです…」
「え…?ああ…。別に、思ったこと言っただけだから」
ハンスは深々と頭を下げる。
切なそうに顔を歪めながら…。
「ルイさまは、孤独なのです」
「…孤独?」
「はい。誰も信用できず、孤独に生きてこられたのです」
それは、どれほど寂しいことだろうか。
そもそも、寂しいなんて感情さえ分からないのかもしれない。
「人間は、ルイさまの血を求めているのです」
「血?」
「我々悪魔の寿命というのは人間の数百倍なのです」
「へ?」
数百倍…?
想像以上で、全くリアリティがない。


