「・・・私は、なにも知りません。私はただ、ルイさまの部屋の掃除をしに来ただけなのですから」
「ハンス・・・?」
「ですから、あなたがこれからこの部屋を抜け出そうと、それからどこに行って何をなされようと私には素知らぬことです」
私の事、見逃してくれようとしているの?
本当はハンスも、ルイの事救いたかった?
魔王の儀式を止めさせたかった?
真面目なハンスの事だ。
しきたりだからと自分に言い聞かせていたのは、ルイだけじゃなくハンスもだ。
「ありがとう!」
私は、部屋を飛び出す。
必死で走り、行われようとしている部屋に急いだ。
大きな扉を開く。
その先には、殻の大きな化け物ような人物と、ルイの姿。
殻の大きなその人が、ルイの父親であり魔王だろう。
ルイの手には、剣が握られていた。


