「ハンスは、このままでいいの?本当に、ルイが血に飢える化け物みたいになっても本当にいいの!?」
「な!あなたは、言っていいことと悪いことがありますよ!それは、魔王さまに対する侮辱です!」
ハンスが声を荒げる。
侮辱でも、何でもしてやる。
ルイを苦しめるそんなもの。
魔王なんて、いなくなってしまえばいいんだ。
そんな力がなくたって、世界は纏められる。
頂点にだって、立つことはできる。
でも、してこなかったんだ。
力を誇示してそこにいる方が楽だから。
「私は、なんとしてもルイの事とめるから!絶対、こんなこと許さない!」
「いい加減にしてください!」
こんな風にハンスと言い合ったことなんてなかった。
まさか、昔のハンスとこんな風にケンカするなんて。
「騒々しい。隠れている意味が解っているのか」
突然扉が開きルイが顔を出した。
ハンスはルイの登場に慌てて姿勢を正す。
「失礼いたしました」
「・・・ごめん」


