俺様魔王の甘い口づけ




明後日。
その日、ルイは父親をその手にかける。


それは、生まれた時から定められていたこと。




その日のために、ルイは今日まで迷うことなく生きてきたんだ。




「あなたですか、ルイさまが言っていた人間の女というのは」

「あ・・・」



しばらくして、部屋を訪ねてきた人物。
それは、これまた少し若いハンスだった。



「ルイさまの、お心を乱さないでいただきたい」

「え?」

「あなた様が、魔王に伝わる儀式をどこでお知りになったのかは存じませんが、無闇にかき乱すようなことをしないでいただきたいのです」

「かき乱す・・・?」

「はい。今ルイさまは、とても大事な時なのです」




心は、動いていたというの?
きっぱりと切り捨てられたけど、内心は少し動かされていた?



だとしたら、まだ可能性はあるんだ。