いったい、どうして私はここにいるんだろう。
見覚えのあるはずの景色に違和感を感じるのは、目の前にある城の姿が以前のものだったから。



立て替えたはずのその城は、仰々しくそびえ立つ。
その不気味さは懐かしいほど。




「な、なんで・・・?」




ケンカをした。
本当に些細なことで。

ルイと、言い合いのケンカ。


ケンカの原因なんて、ほんとに些細過ぎて発端なんてもう覚えていない。
それでも、怒りは収まらずに気分を落ち着けようと城から飛び出しあの森の中に入っていった。



森は、相変わらず薄暗く不気味さを漂う。
ヒンヤリとした空気に、ようやく気持ちも落ち着き仕方なく城へ戻ろうと踵を返した。




そして、目の当たりにしたのがこの光景だった。




どうなっているんだろう。
まるで昔に、少し前に戻ってしまったような・・・。