でも、こっちの方面は確かに家の方角。
もしかしたらここを突っ切れば家に近いかもしれない。


思い立ったが即行動。
それがモットーの私は、迷うことなくその木々が生い茂る公園…のようなところに足を踏み入れた。


その中は、遊具でもあるのかと思っていたけど、どこまで行っても木々が生い茂る。
それはまるで、森のよう。



そんなまさか。
街中に森?
いやいや、ありえないでしょ。




私は眉を顰めながらまっすぐ進んだ。
そろそろ通りに出てもいいと思うんだけど。


でも、本当にずっと木だ。
公園ではなかったみたいだけど、いったいここはなんのための場所なんだろう?






「あーもう、失敗したかも」




なんか足場も悪いし、こんなところ通学路にはできない。
とはいえ、結構歩いたから引き返すことも憚られ、私は進むしかなかった。





「あ…抜けるかも」




開けた場所が見えてきた。
ようやく通りに出るのか、とホッとし足早にそこへ向かった。