俺様魔王の甘い口づけ



この世界の事はよくわからないけど。
いろいろあるんだろうか。



「あなたも、大変なのね」

「……」


…無言?
やっぱり、やり辛い。


そんな会話のような会話じゃないようなやり取りを交わしていると、昨日の森にたどり着いた。

相変わらず、薄暗く不気味な感じだ。



「とりあえず、中にはいれば帰れるのかな?」



他にどうしようもないし。
わからないけど、仕方なく中に進む。

そう言えば、この森とても長かった。
その間にうまく元の世界に戻れないかな?




どんどん進んでいっても、景色が変わる気配はないし。
確かに、来た時だって異世界に行っている感覚もなかった。
だから、戻っているのかそうじゃないのかの違いもわからない。

困った。


でも、隣にリオンがいるということは、まだここは異世界のままなのかな?
それとも、戻る時は一緒に戻ってしまうのかな?
だとしたら、どうするんだろう。





「人間の臭い」



不気味な声。
嫌な予感しかしない。